学生フォーミュラとは
学生フォーミュラ大会とは、学生のものづくりの総合力育成を目的とした、公益社団法人自動車技術会が主催する大会です。 学生が主体となって小型のレーシングカーを企画・設計 ・製作し、性能やデザインなど様々な審査によって競います。 大会は毎年夏に開催され、100校近くが参加しています 。 また、近年では、日本国内のみならずアジアを中心とした世界各国の大学が参加し、国際色豊かな大会にもなってきています。
競技概要
車検
車検では、各チームが製作したマシンがレギュレーションを満足し、安全基準を満たしているのかをチェックします。これらの審査に全て通らなければ、動的審査へ出場することすらできません。
技術車検
車両が安全な走行に適しているかについてレギュレーションに照らし合わせた厳しい検査を受けます。検査スタッフの方は、自動車メーカーの方、学生フォーミュラOBのボランティアスタッフです。この検査を通過しなければ動的審査を受けられないため、チームにとって最初のハードルになります。
ドライバー脱出・フラッグテスト
万が一乗車中に、車両トラブルや事故が発生した場合にドライバーが素早い脱出をすることができるかをチェックします。ベルト装着状態から車両外に5秒以内に脱出しなければなりません。また、走行中には、様々な状況に応じて、ドライバーへの情報伝達にフラッグが用いられます。フラッグごとの意味を確認する口頭テストも行われます。
チルト試験
マシンを45度に傾け、燃料の漏れを確認します。燃料が漏れている場合、走行時に火災の原因や事故誘発に繋がってしまいます。また、ドライバーが乗った状態で60度の傾斜で横転をしないかを確認します。走行中、カーブでドライバーが車から振り落とされてしまうことがないかをチェックします。
騒音試験
特定の回転数までアクセルを踏み込み、所定の条件で排気音110dB以下となることが合格条件です。
ブレーキ試験
走行に重要であるブレーキがしっかりと効くかを確認します。検査員がチェッカーを振ってスタートし、目標地点でブレーキをかけます。四輪がロックされることが合格要件となります。
静的審査(325点)
コスト審査(100点)
事前に提出した設計資料と車両をもとに、どのような技術を採用し、どのような工夫をしているか、またその採用した技術が市場性のある妥当なものであるかが評価されます。具体的には、車体および構成部品の設計の適切さ、革新性、加工性、補修性、組立性などについて口頭試問が行われます。
デザイン審査(150点)
車両を見ながら事前に提出したコストレポートのコスト精度、チームによる製造度合等を確認し、レポートのコストと車両との適合を審査します。また、部品製造プロセスなどの口頭試問を行い、それらの知識・理解度を評価します。生産活動の際に、予算とコストは考慮しなければならない重要な要素であることを学生に学ばせることが狙いです。
プレゼンテーション審査(75点)
自分たちの作ったマシンを実際に販売すると仮定した場合の販売戦略を考え、マシンが市場の需要に応えており、製造することで自社の利益が上がるということをメーカーの役員に対してプレゼンテーションをし、開発の承認を得るという場面を設定して行われます。
動的審査(675点)
アクセラレーション(100点)
75mの直線コースにおいて、静止状態から加速し、タイムを計測して、マシンの加速性能を競います。各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、最も速いタイムが記録されます。
スキッドパッド(75点)
8の字状のコースを走行し、マシンのコーナリング性能を競います。アクセラレーションと同様に各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、最も速いタイムが記録されます。
オートクロス(125点)
直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約800mのコースを2周走行し、マシンの総合的な性能を競います。上記と同様、各チーム2名のドライバーがそれぞれ2回、計4回走行し、最も速いタイムが記録されます。このタイムによって翌日以降のエンデュランス競技の出走順が決まります。
エンデュランス(275点)
オートクロスと同様のコースを2名のドライバーで10周ずつ、計20周を連続で走行する動的種目の耐久型の花形競技です。20周の合計タイムによってマシンの総合的な性能及び信頼性が評価されます。
燃費(100点)
エンデュランス完走チームのみが審査対象です。競技に合わせてどれほど車両が調整されているかがエンデュランス走行時の燃料消費量で評価されます。